【ドカベン】『岩鬼は本当にど真ん中を打てないのか?』と疑い、「悪球勝負」を挑んでしまうプロのピッチャーを全員確かめてみた【検証】

野球の話

みんな大好きドカベン
そして、そのなかでもひときわ人気なのが男・岩鬼正美である。

いきなり暴力シーンでごめんなさい

悪球打ち」の代名詞ともされる彼は、女性のストライクゾーン同様
普通の人とはストライクの基準が真逆なのだ。

マジカルバナナで「悪球打ち」が回ってきたら、岩鬼以外を答えたらドボンになるだろう。
でも、きっとその前のお題が岩鬼だろうから、結局同じ答えになってアウトなのだけれど。

ちなみに、岩鬼が悪球打ちになった理由は、幼少期にあまりに打ちすぎたため、敬遠攻めにあい、それをなんとかしようと悪球に飛びついて打つ練習をしすぎたからである。

「岩鬼=悪球打ち」というのは、今や国民の9割が知る常識であると思うが、『ドカベン プロ野球編』では、性懲りもなく
「悪球打ちというが、本当にそんなことがあるのか?どれ、試してやれ」
という不届き者が少なくない。
現代のデータ野球でそんなことをやったら、罰金モノですよ。

今回は、そんな愚かな…もとい疑り深い投手たちを、1巻から遡って確認していきたい。

明日岩鬼を相手に登板する予定のあなた!
必見です。

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1年目シーズン(1995年)

巨人との2球団競合の末、ダイエーホークスに入団した岩鬼。
ライバルである山田が10球団競合で入団した、西武ライオンズとの開幕戦を迎える。

渡辺 久信(西武ライオンズ) ― 伊東 勤【1巻】

1巻から、いきなり悪球打ち疑いシーンが登場。
西武ライオンズのエース、引退後は監督やGMを務めた渡辺 久信(ナベQ)だ。

『ドカベン プロ野球編』1巻 P.116より

西武には伊東 勤という絶対的正捕手がいるため、山田はベンチスタート。
一方、岩鬼は王監督に認められ、高卒ルーキーながら1番サードで初スタメンを勝ち取った。

ベンチから山田を呼びつけ、『あいつ本当に悪球に強いのか』と問う開幕投手のナベQに対し、
山田は高校生の球と違って渡辺さんの球には力がありますから たとえ悪球でも打てないと思いますけどと返す。
タテ社会、この時代はまだありますね。

『ドカベン プロ野球編』1巻 P.122より

結果はバックスクリーン直撃の特大ホームラン
ピッチャーライナーかと思われた低い弾道ながら、開幕戦のプロ初打席で初ホームラン(バースデーアーチ)を放った。
どんな球威でも悪球なら打つのはわかっていただろうし、防御率を悪化させて伊東から正捕手の座を奪おうとしていたのであれば、策士だな山田。

それにしても、多彩な「ガーン」リアクションを見せてくれたナベQ、ありがとう。
記念すべき1人目の悪球疑いピッチャーとして、箔をつけてくれた気がします。

2巻 小野 和義(西武ライオンズ) ― 伊東 勤

2巻でも、西武ライオンズの小野 和義が、悪球打ち疑いシーンを見せてくれた。
小野は「江夏2世」ともいわれていたサウスポーで、近鉄時代は5度も2ケタ勝利を達成している好投手だ。

『ドカベン プロ野球編』2巻 P.46より

本当にど真ん中みっつですか?』と不安がる小野。
少なくとも開幕戦では間近で特大弾を見ているはずの伊東だが、なぜか他人事のように『データによればホームランは全部くそボールだと返す。
高卒ルーキーが開幕後すぐに5本もホームランを打っているのに、そんな呑気なことある?

結局ど真ん中で3球三振
さすがに開幕戦での豪快弾は印象的だったか、伊東がちゃんと小野を引き締めることに成功している。
しかし、空振りで放り投げたバットが広い福岡ドームのフェンスに直撃するという、ホームランを打たれるよりも恐ろしくなりそうな馬鹿力を見せた。

4巻 佐々木 主浩(横浜ベイスターズ) ― 古田 敦也

3巻はオールスターで、ドカベンオリジナルキャラクターの土門 剛介との対戦。
旧知の相手であることから、当然疑うことはしなかった。

しかし、続く4巻でも悪球打ち疑いシーンが登場。
横浜ベイスターズの大魔神・佐々木 主浩だ。

『ドカベン プロ野球編』4巻 P.64より

ほかの「疑い」とは少し異なるが、普段対戦のないセ・リーグ在籍ということもあってか、「分かっていても打てない」フォークで勝負。
しかし、予告フォークを侮辱と感じた岩鬼は、佐々木を挑発。
それに力んだ佐々木は、ベースのはるか手前でバウンドするボール(=悪球)を投げてしまった。

『ドカベン プロ野球編』4巻 P.68より

結果は、横浜スタジアムの場外に消える特大弾
オールスターMVPは確実かと思われたが、一塁ベースを踏み忘れてしまいホームランは無効に。
ファーストの犬飼 武蔵のアピールにより、MVPを逃がしてしまうのだった。

5巻 内藤 尚行(千葉ロッテマリーンズ) ― 定詰 雅彦

5巻は悪球打ち疑いというよりは、それを忘れるシーンが。
該当者は内藤 尚行、引退後はギャオス内藤として知られるあの人だ。

『ドカベン プロ野球編』5巻 P.84より

明訓高校の同期・里中 智がプロの世界に苦しんでおり、未出場のまま人気だけでオールスター出場を果たすも、まったく通用せず。
後半戦が始まってからも出番がないなか、岩鬼は自分が「満塁ホームランを2発も打てば敗戦処理で出番をもらえるやろう」と熱い?友情を見せる。

三振した後の2打席目、満塁のチャンスで回ってくると、内藤のノーコンぶりを挑発。
カッカした内藤は顔面にぶつけようとしてくる。
MLBなら一発退場ですよ、こんなの。

『ドカベン プロ野球編』5巻 P.85より

もちろん結果は18号満塁ホームラン
『あのバカは悪球打ちだった』と、打たれてから後悔するのだった。
ちなみにこの試合で、里中は新しい相棒である瓢箪と共に、スカイフォークを引っさげてプロ初登板初セーブを飾っている。

結果的にプロ1年目は、清原に並ぶ高卒ルーキーの最多31本塁打を放つが、最終戦で32号を放った山田が単独キングとなり、タイトルを逃がしてしまった。

2年目シーズン(1996年)

6巻はシーズン終盤~オフの話で該当シーン無し。
かと思いきや、2年目のオープン戦でその場面がやってきた。

6巻 河原 純一(読売ジャイアンツ) ― 村田 真一

当時は先発として期待されていた、河原 純一
オープン戦ということもあり、長嶋監督自ら「悪球を投げて様子を伺え」という指示を送られていた。

『ドカベン プロ野球編』6巻 P.171より

正直1年目に31本塁打、ストライクを打てないところをシーズン通して見ているのだから、直接データをとる必要もないと思うが…
ただ河原もどうしても納得行かないな悪球打ちってのはとなぜか訝しんでいた。

『ドカベン プロ野球編』6巻 P.175より

初球はど真ん中で空振りを奪ったが、2球目は予定どおりワンバウンドのボール
お馴染みのレフトスタンド上段へ特大弾を放った。
謎のポエムを炸裂させる王監督が印象的である。

シーズン開幕以降は、悪球打ち疑いシーンはなかった

7・8巻は2年目が開幕するも、やはり因縁の相手渡辺 久信ということで悪球打ち疑いはナシ。
ドカベンオリジナルキャラクターの犬飼 小次郎と投げ合い、なんとナベQは完全試合を達成している。

9巻のオールスターで犬神 了と対戦した際は、顔面スレスレのボールをなぜか避けた後に、打ち直しでホームランを放った。
さらに土門 剛介のすっぽ抜けをとらえ、2打席連発。
続く10巻では三振を挟み、影丸 隼人から本日3本目を放つも、9者連続三振の里中にMVPを奪われている。

オールスター以降は夏子はん絡みのショックで、なぜかど真ん中を打てるようになる展開を挟みながら、この年自身初のホームラン王を獲得。
シーズン最終戦で、またまたナベQからホームランを放ったのだった。

3年目シーズン(1997年)

3年目は登場せず

開幕前、ゴールデンルーキー井口に1番を打たせるために、王監督は「4番岩鬼」の方針を打ち出す。
不貞腐れた岩鬼は極度の不振に陥るが、岩鬼ファンのウグイス嬢が勝手に『1番サード岩鬼』とコールし、気をよくした岩鬼は不調も吹き飛ばすホームラン。
結局1番岩鬼に戻すことになったのだった。

3年目のシーズンが始まった14巻では、開幕戦でいきなり左打席に立ち、これまたなぜかど真ん中をホームラン。
メジャーに移籍したイチローを真似したものだったが、特に伏線になることもなかった。

16巻では、タイトル争いに専念させるためか山田がDH、キャッチャーに伊東という布陣。
これまたなぜかど真ん中を打てるようになっており、「打ってもファールになるような悪球で」と要求するがホームラン。

ただこれはデータとかじゃないので、そら疑うよなというシーンとして除外した。
次の打席でもど真ん中をホームランにしているし。
ちなみにトリックは、コンタクトレンズで反対に見えづらくしている…というオチでした。
絶対見破れないし、最強じゃん。

4年目シーズン(1998年)

犬飼三兄弟の末っ子・知三郎が西武に入団した、4年目のシーズン。
19巻にて、6巻以来となる悪球打ち疑いシーンが!

19巻 藪 恵壹(阪神タイガース) ― 山田 勝彦

その投手は阪神の藪 恵壹
オープン戦ということで、対戦回数の少ないセリーグのピッチャーが試してみたくなる気持ちはわからないでもない。
現代のように交流戦もないため、オールスターか日本シリーズくらいしかチャンスはないが、当時は阪神もダイエーもBクラス常連なので、なおのこと難しいのだ。

『ドカベン プロ野球編』19巻 P.126より

悪球打ちとは言うが、バウンドした球が真ん中にいったらストライクという、たしかに面白い理論で、岩鬼に挑む阪神バッテリー。
だが…

『ドカベン プロ野球編』19巻 P.127より

あくまで「悪球=ボール球」であれば、球のコースは関係ないらしい。
理論はまったくわからないが、岩鬼の生態を知るうえでは、貴重な検証となった。

ありがとうメジャーリーガーの藪さん。
実はMLBでシーズン60登板の経験もある、凄い人なのです。

19巻 中込 伸(阪神タイガース) ― 山田 勝彦

なんと19巻は入れ食い状態。
続く第2打席でも、阪神サイドは岩鬼の悪球打ち検証を行ってしまう。

『ドカベン プロ野球編』19巻 P.128より

言及はなかったが、背番号1の投手で背ネームから見ても中込 伸と思われる。
捕手はおそらく変わっていないでしょう。

『頭に投げれば避けにゃしゃーないやろ』とビーンボールを投げ込んでおきながら、なぜか「逃げてくれ」と焦る始末。
なかなか情けない打たれ方である。

さらに、続く打席もなぜか敬遠の指示を出して被弾。
最終打席もサヨナラソロホームランを放ち、満塁ホームラン・3ラン・2ラン・ソロのサイクルホームランというマンガのような結果を出すのであった。

20巻 犬飼 知三郎(西武ライオンズ) ― 山田 太郎

4年目のシーズンは「岩鬼がホームランを打つとダイエーが負ける」というジンクスで始まった。
岩鬼個人はホームランを連発するも、なぜかその試合は相手の伏兵に一発を浴びて負けてしまうのである。
そこで、亀岡 偉民というドカベンマニアでさえだれも覚えていないであろう、「代走に出すと必ず盗塁を成功させる」男に白羽の矢が立つ。

『ドカベン プロ野球編』20巻 P.117より

その亀岡にわざと無謀な三盗を仕掛けさせることで、失敗させてジンクスを破ることに成功。
岩鬼がホームランを打っても勝てるようにするという、完全な捨て駒としての起用をする王監督であった。
世界の王はちげえや。

そんなこんなで調子を上げたダイエーは、西武との首位攻防戦を迎える。
小次郎 対 知三郎という、犬飼兄弟の直接対決だ。

『ドカベン プロ野球編』20巻 P.172より

実在プロ選手ではないので番外編にはなるが、知三郎が悪球打ち疑いを見せる。
本当に岩鬼さんって悪球しか打てないんですかと。

…ん?
たしかにプロの舞台では初対決ではあるものの、知三郎は高校時代、室戸学習塾のスーパー1年生として明訓高校相手に甲子園で投げているはずだ。

『大甲子園』8巻 P.119より

何を隠そう、その試合の決勝点となったのが岩鬼の2ランホームラン
しかも、名シーンとして語られることも多い、「スクイズと思わせて悪球を誘い出した」見事な一発である。

『大甲子園』8巻 P.126より

この迫真の『しまったァ』を忘れるだなんて…
御大、ちょっと設定を間違えているのでは?

と思うけれど、まあ3年経ったら知三郎が忘れるのも無理はないですね。
憧れのプレイヤーのことくらい、ちゃんと理解しておけとは思いますが。
たぶん根っこで舐めてます。

5年目シーズン(1999年)

西武に入ったゴールデンルーキー・松坂 大輔を明訓五人衆のキャンプに迎えた5年目のシーズン。
山田と同じ球団に入ったことで、描きやすくなるから脳汁も出たでしょう。

そして、同じくこの年の新人王である上原 浩治が、さっそくオープン戦で岩鬼の餌食になった。

24巻 上原 浩治(読売ジャイアンツ) ― 村田 真一

『ドカベン プロ野球編』24巻 P.196より

最初は半信半疑ながらど真ん中に投げ込んだ上原 浩治だが、続く2球目でいつもの試してやろうパターンが発動。
捕手の村田まで『お前ほどのスピードならたとえ悪球でも打てまい』と、愚かな判断をしてしまう。
上原はなぜかドカベンでは「速球派」扱いされていたな。

『ドカベン プロ野球編』24巻 P.198より

結果はもちろん特大のホームラン。
ここまで見てくると、さすがに止めようとしない捕手の方に責任があると思えてきました。
なおこの後の2打席目はど真ん中で三球三振を奪い、本当にど真ん中打てないんだ 信じられないぜと上原は語っています。
先にそっち試さないか?

25巻 松坂 大輔(西武ライオンズ) ― 山田 太郎

結果的に悪球を投げてはいないものの、ゴールデンルーキー松坂 大輔も、岩鬼との初対戦では悪球打ち疑いを見せている。

『ドカベン プロ野球編』25巻 P.74より

『岩鬼さんなら狙っていたら間違いなくホームランなのに』と、煽りにも近いことを考える松坂。
受ける山田は笑顔で悠然と構えているのに対し、実況が「危ない!!」と言っているのはどういうことか。

ただ、この頃は「コンタクトをつけているとど真ん中が悪球に見える」という、本来1/2で打ててしまいそうな裏技を使っているので無理もないか。
「同じ手は二度使わない」が信条のはずの岩鬼だが、ちょっとガッカリな時期でもある。

2打席目も三振に抑えるが、3打席目では静かな岩鬼に恐れをなし、悪球を投げて逆転2ランを被弾。
さらに4打席目は自分の頭をバットで殴って悪球を生み出してのホームランと、この初対決では岩鬼が完勝している。

なお試合は、山田の逆転サヨナラ3ランで西武が勝ちました。
やっぱり山田はすごい

29巻 落合 英二(中日ドラゴンズ) ― 中村 武志

これもちょっと悪球打ち疑いとは違うが、この年の日本シリーズでも意図的に悪球勝負をする展開が。

5年目にして初めて日本シリーズに進出したダイエー。
因縁の影丸を相手に迎えた岩鬼は、「2打席バントの構えで球筋を見極める」という指示を、やけに凛々しい王監督から出された。

『ドカベン プロ野球編』28巻 P.179より

それで打てるなら苦労しないだろうと思いきや、3打席目は見事にど真ん中を捉えてフェンス直撃の大飛球
本塁では高校時代の因縁をはらすバックドロップを影丸に決め(何これ?)、先制のランニングホームランを記録するのだった。

それを踏まえての第4打席。
山田久志コーチはこの打席は悪球で勝負してみろとの指示を出してしまった。

『ドカベン プロ野球編』29巻 P.18より

結果はもちろん決勝の特大ホームラン
これができるならただの最強打者だろとは思うが、岩鬼相手に悪球を意図的に投げ込む珍しいシーンなので紹介させていただきます。

29巻 山本 昌(中日ドラゴンズ) ― 中村 武志

日本シリーズ第3戦の先発は、当時すでにプロ16年目の山本 昌(34)
ここからさらに16年プロとして投げていたのだから、なかなか意味がわからない。
なんでここがまだ野球人生の折り返しなんだ。

『ドカベン プロ野球編』29巻 P.29より

前述のとおり、悪球打ちなのかどうか実際わからない状況であること、そして若手(当社比)特有のイキリが出てしまい、
スクリューボールなら悪球だろうと打たれないと豪語。
しっかり揺れて落ちるボールを投げ込んだものの、岩鬼にはもちろん絶好球であり、完璧に捉えられてしまった。

シリーズを通してホームランを連発した岩鬼は、初めての日本一を経験するだけでなく、日本シリーズMVPに輝く。
ちなみにこのシリーズでは筆者が一番好きだった、関川 浩一さんとの「1番打者対決」がクローズアップされている。
奥さんの名前が「弓子」であるという、謎の知識まで手に入れることができるドカベン、侮れないね。

6年目シーズン(2000年)

5年目のオフに、あの中西 球道がロッテに入団。
大甲子園で対戦しているとはいえ、別漫画の主人公が入団してくるまさかの展開だ。

一方、岩鬼は30巻からバント打法で4割打者を目指し始める。

『ドカベン プロ野球編』30巻 P.70より

ど真ん中は通常のセーフティとプッシュバントを使い分け、ボール球はホームラン。
今まで三振していたものがヒットになっているのだから、完全に最強打者となってしまった。

ただ転機となったのは、32巻で描かれた、連続無失点記録を続ける中西との対決。
いくら出塁しても、まったくホームに還してくれない味方打線に憤慨してしまう岩鬼。
結果、怒りからいつもの悪球打ち打法に戻し、なぜかど真ん中のボールを見事サヨナラホームランにしたのだった。

32巻 木田 優夫(オリックスブルーウェーブ) ― 日高 剛

その試合の後の、オリックスブルーウェーブとの対戦。
メジャー帰りの木田 優夫が先発だ。

『ドカベン プロ野球編』32巻 P.174より

「ど真ん中が打てるようになったのか」と周りが疑う中、木田はしっかり2球ど真ん中に投げて追い込むが…
迎えた3球目、捕手の日高 剛がまさかの悪球疑いシーンを見せる。

ウエストした結果は、お察しのとおり豪快な先頭打者ホームラン
珍しく投手ではなく、完全に捕手の責任といえる悪球疑いシーンとなった。

では、なぜこの前の試合では、中西からど真ん中をホームランにできたのか?

『ドカベン プロ野球編』32巻 P.195より

たまたま普段くわえているハッパが球筋を一瞬隠し、悪球になるという奇跡が起きていただけなのだった。

7年目シーズン(2001年)

7年目は登場せず

リーグ連覇を果たしながら、ON対決に敗れ日本一を逃した岩鬼たちホークス。
35巻から、マンネリ打破を図ってか、パ・リーグ各球団にオリジナル選手が新加入してくる。

オリックスの不吉 霊三郎、近鉄の島田 牛虎、日本ハムの神山 歩の3名。
不吉と島田は後のスーパースターズ編だけでなくドリームトーナメント編でも登場したが、全員イマイチ目立たなかった。
まあ華が無いからな…

この年は岩鬼の選球眼がなぜか狂い、山田の妹・サチ子と結婚する云々の話が続く、作品の中でもなんとも迷走している時期といえる。
当時は、この辺で単行本を買わなくなったような記憶があるな。

7年目のシーズンを終えると、山田がついに三冠王に輝いた。
最終戦でサヨナラホームランを放った鈴木 健がベースを踏み忘れ、山田にもう一度打席を回すなど、割と侮辱的なことまでさせており、やはりマンガとして面白くなくなってきている感が否めなかった。

8年目シーズン(2002年)

この年のゴールデンルーキー・寺原 隼人は、ダイエーに入ったこともあり、岩鬼リスペクトのキャラ付けをされてしまう。
ハッパをくわえ、『岩鬼しゃん』と慕わせているのは、今見ると結構気持ちが悪い。

また、ロッテには袖ケ浦 大五郎という、高校時代のライバルであった雲竜を匂わせるキャラクターが登場。
開幕戦で里中をリードし、なんと完全試合を達成させてしまう。
里中専用捕手として出てきたはずの瓢箪の立場は…

しかし、これ以降はしれっと瓢箪が正捕手に戻っており、ドカベンなんだったのか大賞の1つでもある。
だれだったんだ、こいつは。

44巻 不知火 守(日本ハムファイターズ) ― 野口 寿浩

肝心の岩鬼は、昨年のサチ子騒動を引きずっており、ど真ん中を普通に打てるようになっていた。

開幕戦では、不知火の剛速球を完璧にとらえ、先頭打者ホームラン。
ただの最強打者でしかなく、魅力が半減してしまっている。

その試合の9回、1対1で迎えた打席でも、ど真ん中を再び捉えて特大ファールを放つ岩鬼。
あのクールな不知火までが、『美人を美人とわかるようになったから、ど真ん中が打てるようになった』とトンデモ理論を提唱してしまう。

『ドカベン プロ野球編』44巻 P.22より

キャッチャーの野口はど真ん中を要求するが、再びファール。
そこで不知火を信じて悪球を要求するのだが…

『ドカベン プロ野球編』44巻 P.24より

岩鬼にとっての絶好球だが、まさかの空振り三振。
それにしても、あまりにかっこいい空振りだ。
もはや悪球疑いとは違うが、ど真ん中以外で岩鬼から三振を奪う珍しいシーンである。

この後、1か月以上不振が続き、スタメン落ちまで経験する岩鬼だったが、サチ子が試合を観に来た日に代打で出場。
日本ハム下柳が投げた絶好の”悪球”に三振するも、そのボールが岩鬼の頭に直撃。
心配しに来たサチ子に対して、「どブス」呼ばわりしており、この衝撃で選球眼が元に戻ったのだった。

9年目シーズン(2003年)

9年目は登場せず

プロ9年目となる2003年シーズン。
山田・岩鬼世代がついにFA権を獲得する年を迎えた。

ゴジラこと松井 秀喜がヤンキースに移籍したこともあり、山田たちもメジャーリーグ挑戦かとお互いの腹を探り合っている。
雷のようになぜか左右に変化し続ける魔球イナズマを習得した不知火など、ライバル達にテコ入れは入ったものの、50巻を超えてくると、さすがにキャラクター達もマンネリ感しかないのだろう。

まったくそうは見えない山田だが、実は高校時代からヤンキースのレジー・シャクソンを目標にしていたという裏設定が判明する。
割と問題児のようなので、あまり似つかないタイプに見えるが…
メジャー志向は抑えられなかったようだ。

『ドカベン プロ野球編』52巻 P.76より

山田がメジャーに行くとなれば、“山田世代”もみんなメジャーに行く
それがこのマンガの礼儀…ということで、ピアニスト転向を匂わせていた殿馬までが引退撤回し、全員がメジャー挑戦を表明した。

当然各球団の主力がごっそり日本球界を去るとなると、NPBは盛り上がらない。
そこで崖渕 壮兵衛という縁起でもない名前の総裁が、パ・リーグに2球団を増やす「新球団構想」を山田世代+土井垣・小次郎を集めて提言するのだった。

『ドカベン プロ野球編』52巻 P.164・165より

これが続編であるスーパースターズ編の始まりである。
作者は当時プロ野球編までで一度追いかけるのをやめましたが、今見ると終盤のマンネリ化ひどかったし、ここでテコ入れしたのは正解だったのかもしれないですね。

岩鬼がここまで有名になってしまっては…というか、毎年ホームラン王を獲っている打者に対して
本当に悪球打ちなのか?どれ試してやろうとは言えないだろうし、ここで調査を打ち止めできたのも助かりました。
大丈夫だよね?

まとめ『岩鬼の悪球打ち疑いシーンはどれくらいあるのか』

  • 1年目…4回(渡辺 久信・小野 和義・佐々木 主浩・内藤 尚行)
  • 2年目…1回(河原 純一)
  • 3年目…0回
  • 4年目…3回(藪 恵壹・中込 伸・犬飼 知三郎)
  • 5年目…4回(上原 浩治・松坂 大輔・落合 英二・山本 昌)
  • 6年目…1回(木田 優夫)
  • 7年目…0回
  • 8年目…1回(不知火 守)
  • 9年目…0回

9年間のシーズンで、合計14回の悪球打ち疑いシーンが確認できました。

どうでしょう。
個人的には、記憶よりもかなり少ないなと思いました。
毎年訪れるゴールデンルーキーとの初対決や、オープン戦のセ・リーグ投手が餌食になっているイメージだったのですが、意外と多くもなく。

ただ、それ以前に「コンタクトで視力を悪くしている」「サチ子が美人に見えるくらい選球眼が急に治る」など、そもそも「ど真ん中を打てるのでは?」という好球打ち疑いシーンがちょいちょい有ったので、企画がブレました。
判断が難しすぎたよ…

「岩鬼 正美の対処法」教えます

みなさんも、いつか岩鬼 正美を打席に迎えることがあるかもしれません。
ただ、悪球打ちのままなのか、それとも何か対策をしてきているか、わからないと困りますよね。

そんなあなたに、どちらのパターンでも岩鬼を絶対に抑える方法をお伝えします。
noteで500円くらいで売ろうか迷いましたよ。

プロ野球編において、岩鬼との最後の対戦を乗り越えた山田 太郎が教えてくれました

『ドカベン プロ野球編』51巻 P.110より

『データでも直感でもなく 勝負に一番大事なものは気持ちだよ』

えっ?

『ドカベン プロ野球編』51巻 P.111より

『岩鬼に悪球を打たれるのはそれは投げ損じての球だからさ』
『でも最初っから悪球を気持ちを込めて全力で投げればいかに岩鬼でもフェンスまでだって事さ』

大魔神佐々木のフォークも、浪人しての大卒だから年上なのになぜか舐められてる上原のまっすぐも、気持ちが込められた全力の投球ではなかったらしい。
そんなぁ…

ただよく考えてみると、悪球であればほぼ高確率でホームランにする岩鬼が、シーズンのホームラン数は50本前後に落ち着いているのっておかしいですよね。

「1試合打席に立ち続ければ、1度は失投が来る」から逃すなというのがプロ野球の鉄則。
いくらプロの投手といえど、少しのコントロールミスも許されない状況で、4~5打席分をど真ん中に投げ続けるのは難しいでしょう。

そう考えると、山田の説はあながち間違っていないのかもしれない。
気持ちが込められているボールであれば、たまの失投でもホームランにはできないのだ。

みなさんも明日の試合では、ボールに気持ちを込めて全力で投げ込んでみてください。

おわりでーす

   

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