夏ドラマの時期がついに終わります。
8話で完結してしまうものもあったり、思ったよりあっという間でしたね。
今回は、夏ドラマの個人的な感想とオススメを紹介していきたいと思います。
序盤まで、中盤までの感想は以下に残しています。
あらすじ等はそちらにすべて書いているので、この記事では感想に特化して。
ネタバレを少しでも踏みたくない場合は、そちらを参考にしてもらった方が良いかも!
完走した個人的ランキング
1位『ちはやふる-めぐり-』

序盤から最後まで、ずっと1位であり続けてくれました。
何度も泣かせてもらいましたね。
前作ともいえる『ちはやふる』は、原作のマンガは通っているものの、ドラマは未履修。
正直記憶も曖昧なところばかりですが、「千早という周りを引き込むかるた好きがいる」「同じ高校の太一とライバル校の新という親しい男子が2人」「千早と同じ高校に和歌の世界が好きな奏という少女がいる」という点さえ入れておけば、楽しめるでしょう。
いや、知らなくても普通に単体で面白いと思います。
前作との距離感がなんといっても抜群でしたね。
千早ではなく、奏が先生となって導いてくれること。
そもそも千早は最後の方まで登場しないが、今作の主人公たちには幼いころきっかけを与えていたこと。
部員たちが頼もしくなったころに、奏自身も夢を追いかけてみんなの前からは離れていくこと。
瑞沢OBたちが、ところどころで力になってくれること。
最後に、かるたを通じて生まれたきずなが永遠であるのを教えてくれたこと。
いやぁ、良い…
めぐるという主人公も、現代の若者の特徴を取り入れられていて、感情移入できましたね。
ほかの部員たちも大なり小なり自分のなかの葛藤と戦っていて、それを乗り越えて成長する姿は見ていてうれしくなったな。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
2位『僕達はまだその星の校則を知らない』

個人的に、完全なダークホース。
最後まで通して見ると、実はこちらが1位かなとも思えています。
序盤は、正直「ハマれないかな」と思っていたけれど、中盤から終盤にかけて、これまでの話が全部繋がってきて、見ていてワクワクした。
いわゆる「伏線がある」作品というわけではないが、健治が助けてきた生徒たちが、今度は救ってくれて学ばせてくれる存在になっている展開は、自然と胸が熱くなる。
タイトルも、最後まで見ればこれしかないのだろうと感じられる。
大人も、先生も、偉いとされる人間にも、わからないことがたくさんあることをよく表現できているのではないか。
キャスト陣も良かった。
生徒たちにも愛着が湧いてくるし、先生も警備員の人も、何度も顔を見るうちに人となりが見えてくる。
天文部の子たちには、健治だけでなくこちらも心を動かしてもらうことが多かったな。
よくある学園ドラマとはまた違った切り口で、生徒と向き合うというよりは、生徒を通して主人公が成長していくストーリーだったように思う。
この作品を見てしまうと、今後学園モノを見るときのハードルが上がってしまいそうだ。
3位『愛の、がっこう。』

こちらも中盤から非常に楽しみになった作品。
愛実とカヲルの、素直に応援しづらい恋模様は、どう展開するのか楽しみでした。
『誘拐の日』と迷いつつ、こちらをランクイン。
メインである2人はもちろんのこと、周りの役どころが面白い。
物語を通して常にかき回してくれた川原なにがし、憎めない太鼓持ちキャラの竹千代、昭和のような関係性で決壊間近の愛実の父母…
本線以外のところで、楽しめる要素が散りばめられていて、飽きることがなかったですね。
ラウールも、この世界観に合っていて良かった。
ちょっと拙い感じもあったけれど、それがホストであるところの軽薄さや、学校に行けていない幼さとマッチしていたように見える。
木村文乃さんは、メガネかけてる方が柔らかい雰囲気で断然好きでしたね。
メガネアンチくらいに、裸眼の方が良いと言う人間なのですが、なんだか魅力が増して見えました。
メガネベストドレッサー賞、おめでとうございます。
続編とかはないでしょうが、カヲルの出自や2人のこれからについて等、描いてほしい要素はまだ残っているかな。
原作読んでみますかね…
個人的ランキング一覧
1位.『ちはやふる-めぐり-』
2位.『僕達はまだその星の校則を知らない』
3位.『愛の、がっこう。』
4位.『誘拐の日』
5位.『しあわせな結婚』
6位.『最後の鑑定人』
7位.『19番目のカルテ』
8位.『明日はもっと、いい日になる』
9位.『DOCTOR PRICE』
10位.『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』
11位.『能面検事』
12位.『リベンジ・スパイ』
13位.『量産型ルカ -プラモ部員の青き逆襲-』
14位.『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』
15位.『DOPE 麻薬取締部特捜課』
16位.『FOGDOG』
月曜日放送ドラマ
明日はもっと、いい日になる

ストーリー(展開):★★★★☆
オチ(納得感) :★★★★☆
キャスト(演技) :★★★★☆
万人受け(クセ) :★★★☆☆
総括(オススメ度):★★★★☆
19/25点 (ポップな雰囲気から繰り出されるヘビーな内容)
ストーリー
序盤からずっと引っ張っていた、叶夢と奏夢関連の話が7話でひと段落し、見ていて安心した。
結構しんどいなと思うシーンもあったけれど、翼が少しずつ成長しているのは見てとれる(暴走癖はあるが)し、蔵田や同僚との関係性も良くなっていって、ちゃんとした成長ストーリーが描かれていると思う。
序盤から中盤が翼やその同僚にフォーカスした話で世界観の理解を深めたうえで、終盤は子どもや児相という仕事に比重を置いているのは、とても良い展開だと感じます。
オチ
最後に2話も使って新しい話やるの?と思ったけれど、ちゃんと必要なストーリーでよかった。
所長が漢を見せてスタッフを守ってくれたのも良かったし、夢乃が児童相談所への感謝を記者の前で堂々と語ったところは結構グッときた。
裏の主人公は、この人だったんだな。
子どもたちも、ちゃんと新しい生活で幸せな日常を送れている描写もあって良かったね。
最後は刑事に戻る道よりも、だれかの助けになり続けることを選んだ翼の決意でエンド。
それまで描いていた一連の話は蔵田と向日葵の関係性も含めて完結していたので、良かったのではないでしょうか。
キャスト
児相のメンバーは、それぞれ役がハマっていたと思う。
個人的には林遣都のひたむきな感じが好きだったかな。
どうしても子どもが多く出てくるドラマだから、子役の演技にはちょっと心配していたけれど、特におかしいこともなかったので良かったですね。
万人受け
扱うのが児童相談所というヘビーな話題であったり、序盤は翼が空気を読まずに突っ走り続けたり、万人が楽しめるドラマではないかも。
やっぱり演技であっても、子どもが『ごみ』と呼ばれていたり、関係のない第三者からのクレームが相次いだり、胸糞悪いなと感じるシーンはどうしても避けられないので。
もちろん意図的にそういうところを描いているし、月9だからこそ丁寧に伝えてくれているんですけどね。
個人的にも序盤は結構離脱しそうだったので、これから見る人は4・5話までがんばって乗り切ってほしいなと思います。
総括
テーマがヘビーで、ちょっと見るのに気合いが要るドラマではありました。
序盤は翼がまだ児童相談所の仕事や立ち位置に慣れていないとはいえ、独断で動いて迷惑をかける流れが続き、正直しんどかったですね。
蔵田の過去が見えてきて、翼のことを認め始めてからは、面白い作品だったと思います。
一番の本筋だった夢乃と叶夢・奏夢関連の話は、結果的に幸せな話になって本当に良かった。
児童相談所という舞台は、まったく詳しくないし、これですべてが描かれているとは思わないけれど、これからの人生のなかでこのドラマがよぎる場面はあるかもしれないなと。
楽しいばかりの物語ではなかったけれど、意義のある作品だったように感じました。
僕達はまだその星の校則を知らない

ストーリー(展開):★★★★★
オチ(納得感) :★★★★★
キャスト(演技) :★★★★★
万人受け(クセ) :★★★☆☆
総括(オススメ度):★★★★★
23/25点 (独特な世界観にハマる逸品)
ストーリー
えっ!面白くなってきたんだけど!…というのが素直な感想。
中盤でも書いたとおり、話ごとに面白さが全然違うのだけれど、5話で天文部合宿を行ってからが相当面白くなってきた。
学校内の問題という、ありそうでなさそうな身近なテーマに触れて、しっかり描いているのも見事。
終盤にかけて、一番右肩上がりで良くなったなと思う作品です。
オチ
1話で校内の模擬裁判をやったところから、最終話に本当の裁判を持ってくるとは。
あまりリアルではないような雰囲気ではあったけれど、これまでに健治が救ってきた生徒たちが力になってくれて、理事長の心も動かす展開は、本当に良かった。
最後には健治を認めてくれて、「君のような人間を受け入れてくれるのはこの学校だけだ」と言ってくれたのもうれしかったな。
幸せ、この話でいう「本当の幸い」を全員が手に入れて、不幸になる人間がいない終わり方でとても安心した。
物語の締め方としても、最高だったのではないでしょうか。
キャスト
磯村勇斗が演じる主人公の健治は、序盤は結構厳しかったけれど、少しずつ学校というものへのトラウマがわかってきてからは感情移入ができるように。
ヒロインの堀田真由との関係性も、今どきは見られないピュアな感じで、良い意味で見ていて恥ずかしくなってくる。
ちゃんと描きたい世界観になっていそうだ…と終盤になって感じました。
やっぱり平岩紙さんのいるだけで面白くなる感じはすごい好き。
堅そうなのにちょっとズレた発言をしたり、進展しない2人をニヤニヤ見ていたり、最高のアクセントでしたわ。
7話で退場してしまったけれど、淵上泰史さんもスマートな先生で良かったです。
天文部周りの生徒たちもとても良いですね。
生徒会長の男子が、個人的にキャラクターとしてお気に入り。
万人受け
終盤でハマれたけれど、やっぱり「ムムス」を筆頭とした健治独特の世界が、置いていかれる人をつくっていそうな気がします。
生徒たちに感情移入できるかも大きいかな。
「なーにふざけたこと言ってるんだ」と思ってしまうようなタイプだと、ちょっとイライラしてしまうかもしれません。
総括
今期の作品で、一番「見続けて良かったな」と思える作品になった。
個人的に2話がツッコミどころが多すぎて本当にキツかったんだけれど、5話から面白くなるから見てほしい。
学校という場所、そして父親に対して恐怖心やトラウマがある健治が、子どもの頃に頼った弁護士という立場になってからそれを克服していく設定がまず良い。
自分の力では解決が難しい問題に悩んでいる生徒たちに対して、「法律」という揺るぎない力を借りながら解決の糸口を探っていくこの存在は、健治自身が当時一番必要だったんだろう。
恋愛要素も、メインではないちょうど良い塩梅であり、初心な2人を見守りたいと思えるような雰囲気を作っていた。
先生たち、そして健治に関わる生徒たちも、個性豊か。
「うわ、たしかに今の学生はそうなんだろうな」と思える、身近な問題を一緒に乗り越えていく様は、見ていて飽きない。
宮沢賢治、天体観測をバックボーンにしたことで、興味深い世界観を描けていたと思う。
この作品を作ってくれて、ありがとうございました。
FOGDOG

ストーリー(展開):★★★☆☆
オチ(納得感) :
キャスト(演技) :★★★☆☆
万人受け(クセ) :★★☆☆☆
総括(オススメ度):
/25点 ()
ストーリー
30分枠なので、大体2話ずつくらいで1つの話(事件)が解決するのだけれど、なんだかあまり入り込めないかも…
3~4話のボクサーカップルの事件は結構面白かったんですけどね。
1~2話の着ぐるみ事件や、5~6話の心霊動画は、そもそも題材として興味をひかれなかったな…
オチ
未
キャスト
平祐奈は、最近よく見かけるけれど、演技というかあの声はかなり好きだなぁ。
舌っ足らずではないが、独特の”もったり”感が良いし、今回の役どころとも合っていた気がしますね。
ただ、ほかのキャストがあまり活きていないようには感じたかな。
丸ちゃん(丸山隆平)の方のキャラクター(個性)が、ストーリーに反映し切れていないように見えました。
ちょっと口が悪いだけ。
万人受け
万人受けはしないというか、そもそも狙っていないように感じました。
OPやEDの時点で、一部の人に刺されば良いんですという雰囲気がめちゃくちゃ出ていましたね。
次回予告で平野綾に早口で話させるのは、正直ちょっと刺さりました。
総括
未
火曜日放送ドラマ
誘拐の日

ストーリー(展開):★★★★★
オチ(納得感) :★★★★☆
キャスト(演技) :★★★★☆
万人受け(クセ) :★★★★☆
総括(オススメ度):★★★★★
22/25点 (はやく続きが見たいと感じさせてくれたドラマ)
ストーリー
単純に面白い。
2話くらいまではまだ話がつかめなくて、置いてけぼりになった感があったのだけれど、“わかる”楽しさがあって次第に盛り上がってきたなぁ。
そのうえ、毎回予想を裏切る展開もあって、最後まで飽きない作品でしたね。
原作とはちょっと違うみたい?なことを聞いたので、元々知っている人からすると不満はあるのかもしれませんが、個人的には非常に楽しめるドラマでした。
オチ
政宗が薬のレシピを知っていて覚醒するエンド。
「善き心」ってのはそういうことだったのかぁとなりました。
これは気になって韓国版の方もチラッと調べてみたんですが、全然違う結末みたいですね。
政宗が覚醒することはなかったり、鮫洲は改心するチャンスもなく殺されていたり。
「ラムネについて説明がない!」とか「説明不足だ!」みたいな意見も見ましたが、全部の理由をつまびらかにするのは、物語としてつまらないんじゃないかと思うんですよね。
刑務所の壁に数式を書き出した政宗が、少し”飛んじゃってる”ように見えたのも、特に続編の布石とかではなく、その後について自由に考える余地を与えてくれただけなんじゃないかな。
『羅生門』の「下人の行方は誰も知らない」ではないですが、そういう余白を享受できる点が作品を豊かにしていると考えている派です。
日本版の政宗が本当に応援したくなるキャラクターだったからこそ、そう思えるのだろうし、個人的には良いラストだったかなと。
キャスト
斎藤工の演じる政宗は、空気が読めないようなところもあるけれど、実直で頼れる存在なのが伝わってきてとても良い。
永尾柚乃ちゃんとの絆が常に感じられた。
ビックリしたのが安達祐実。
最後の独白のところは、「すごい…!」としか思えない演技力でした。(語彙力ナシ)
「新旧子役対決だ!」というコメントを見たけれど、まさにという感じ。
江口洋介に内田有紀に、脇を固める方々も素晴らしかったですね。
万人受け
本当に最序盤だけ乗り切れば、かなり楽しめると思います。
自信を持ってオススメ!
原作や韓国版ドラマを通っている人は、ちょっと違う部分にモヤっとするのかも?
総括
「次の展開が気になる!」と、今期では一番思えたドラマでしたね。
たまたまコラムニストの感想を見て、『最終話で「大どんでん返し」という展開ではなかった。ミステリー(謎解き)でわくわくさせるドラマではなかったことになる。』というのがあったんですが、そもそもの楽しみ方が違うと思う。
汐里が犯人であることは少し前から示唆したうえで、彼女が凶行に至るまでの半ば”仕方ない”とも思える事情を描くことで、政宗がそれをどう受け止めるのか、凛や須之内たちがどう崩して逮捕につなげるのか…をちゃんと表現できてたのではなかろうか。
予想を裏切る展開も随所にあったとはいえ、全編とおして描かれていたのは、政宗という人間のまっすぐさと、“2人の娘”との絆だったように感じる。
その2人がラストで一緒に学校へ行ってるシーンを見られて、本当にうれしかったよ。
総括して、大満足の作品でした。
スティンガース 警視庁おとり捜査検証室

ストーリー(展開):★★★☆☆
オチ(納得感) :
キャスト(演技) :★★☆☆☆
万人受け(クセ) :★★★☆☆
総括(オススメ度):
/25点 ()
ストーリー
あまり期待していなかったので、3話くらいまでは「結構面白いじゃん!」と思っていたのですが、パターンが決まっているので正直飽きてしまいましたね。
一応スティンガーズのメンバーを1人ずつフォーカスした話をつくろう…というのは伝わるのだけれど、特にその人のバックボーン等が掘り下げられた感じもなく、感情移入できなかった。
1話単体で見ると、それなりに面白いと感じるところもあるのですが、全体としてはハマれなかったですね。
オチ
未
キャスト
森川葵と玉山鉄二の、周りをおちょくった軽いキャラクターが個人的に合わなかった…
一般的に好感度が高い俳優さんが演じるか、それまでの苦労が見えるようなバックボーンを描いてくれていれば受け入れられたかもしれないが、単純にイラつくだけでした。
杉本哲太さん演じる関口という不器用なおじさんも、「ここで笑わせようとしている」のがわかるキャラクターだったけれど、まったく刺さらなかった…
ちゃんと活躍する場面があったり、可愛げがあったりすれば愛されキャラになるでしょうが、ただの”使えない人”でしかなかったですね。
キャストが悪いと言うよりは、この作品の演出が自分には本当に合わなかったのだろうな、という感じがしています。
万人受け
コメディ要素強め(にしたいのだろう)のドラマ。
もう少しシリアスというか、真面目な一面が見られるようなシーンが見たかったなぁ。
各話でも、特に「見せ場がなかった」という感想です。
ただ、自分は『コンフィデンスマンJP』も、あのウケ狙いのような雰囲気が合わなかったので、ちょっと向いていないだけなのかもしれません。
総括
未
水曜日放送ドラマ
大追跡~警視庁SSBC強行犯係~

ストーリー(展開):★★★★☆
オチ(納得感) :★★★☆☆
キャスト(演技) :★★★☆☆
万人受け(クセ) :★★★★☆
総括(オススメ度):★★★☆☆
17/25点 (もう少し大がかりであってほしかった)
ストーリー
思ったよりも盛り上がらなかったかな…というのが正直な感想。
序盤は面白そうかなと思ったんですけどね。
なんというか、タイトルの「大追跡」や煽りの「逃げ切れると思うなよ」が薄っぺらく感じてしまうくらい、事件の規模が小さいものばかりだった。
最終話に遥がさらわれたときに、ちょうど上記のセリフが出たけれど、「あっ、そこについてなの?」と拍子抜け。
8話と最終回にかけて、「元警察官の殺害事件を追う!」という大きなテーマがようやく来たけれど、全編とおしてそういった伏線がほしかったように感じます。
オチ
「続編ありきの終わり方」と言われているけれど、たしかにそうかもしれない。
謎が残ったまま…ということはなかったし、最後は主要メンバーがある程度団結してめでたしめでたしという感じだったけれど、良いものを見たなぁという感じはゼロだった。
「大追跡」というからには、官房長官だけがずっと引きずっている事件の解決を~ではなく、もう少しほかの捜査員たちにもかかわっている話が背骨としてほしかったな。
キャスト
俳優陣がどうと言うよりも、ずっと見続けていても好きになりづらいキャラクターが多かったかな。
SSBCの捜査員についても、メインの2人以外は特に掘り下げることはなかったのだから、もうちょっと好感を持てる人物で揃えてほしかった。
序盤は松下奈緒の威圧感が悪目立ちしているように感じたけれど、伊垣と離婚していることがわかってから、目の敵にしている理由が理解できたので納得。
一方で、名波と八重樫の『僕の叔父は官房長官で~』『わかっております~』のくだりは本当にしつこくて不快だった。
作中の人物たちもうんざり顔をしていたけれど、ワンパターンで辟易としているのはこちらも同じです…
万人受け
SSBCという、映像解析などをメインにした特殊部隊というモチーフはよく、毛嫌いする人は少ないでしょう。
ただ、ちょうど先日「映像をズーム解析してAIに復元させても、誤った情報にしかならない」というのが話題になっていたこともあり、『警察でもこんなんできないだろ』とツッコミたくなる気持ちは出てきてしまうかもしれません。
総括
最終的には、「可もなく不可もなく」という感じに収まってしまった作品。
つまらなかったかと言えばまったくそんなことはないのだけれど、序盤を見て結構期待してしまっていただけに、ちょっと残念だったなぁ。
おそらく続編はあるんでしょうね。
あるのなら、名波周りのところは少なく、出世したあとでも一緒に事件を解決しています…という素直な刑事ドラマが良いな。
ちはやふる-めぐり-

ストーリー(展開):★★★★★
オチ(納得感) :★★★★☆
キャスト(演技) :★★★★★
万人受け(クセ) :★★★★★
総括(オススメ度):★★★★★
24/25点 (ちはやふるの続編としても単体としても素晴らしい作品)
ストーリー
「競技かるた」というややマイナーな種目で、王道の青春を描いた『ちはやふる』という作品。
その流れを継ぎながらも、まったく新しい作品として見事に成立している『ちはやふる-めぐり-』は、非常に素晴らしかった。
個人的には、主人公のめぐるが、「コスパ重視」「タイパ重視」からの脱却、親からの教育プレッシャー(誤解とはいえ)といった、現代の要素を孕んでいたのが、このタイミングでスピンオフを出す理由として、とてもうまかったと思う。
本当はこういう青春をしてみたいけれど、踏み出せない若者は意外と多いんじゃないかな。
かつての戦友である千早と奏が、顧問として相まみえるという展開も王道ながら最高。
素直にぶつかるだけでなく、奏は部を離れてしまうこともあり、王道と邪道をうまいこと組み合わせてくれるなぁと感心。
太一と新もちゃんと出てきてくれて、ちはやふるに触れたことがある人なら、絶対に満足できる作品でしょう。
オチ
最後に北央やアドレを含めた総当たりをやりたかったのはもう本当にわかるし、それが楽しみではあったけれど、1度目のヤマで「瑞沢も北央も敗れて、無名校が勝ち上がった」展開は、ちょっと無理やり感が…
特に瑞沢が敗れることは天地がひっくり返ってもなくない?と思ってしまったな。
その割には北央やアドレにも「3-2」で辛勝という感じだし、懸心と凪以外はそこまでなのか?
八雲に吉野さんは実力勝ちしているのに?
あと、瑞沢のOBたちが、普通に考えたら敗れて落ち込んでいるであろう梅園部員たちの前で奏を呼んで、お構いなくキャッキャッしているのは、大人としてそんな態度する?と思ってしまった。
めぐるはそれを見て「自分も同じような仲間を手に入れた」と前向きに思ってくれていたけれど、負けさせた相手、ましてや高校生の前でその振る舞いはどうなのだろうか…
現実的に捉えすぎ?
本家『ちはやふる』メンバーよりも、『めぐり』の6人の方が思い入れも強くなっているからか、ちょっとモヤっとしてしまった。
それでもめぐると凪が因縁の場所で仲直りできたところはとても良かったし、最後に大学生になった部員たちがそれぞれまた違う形でチームを組んでいるのは、なんともうれしいラストだった。
これまでの話が本当に最高だったので、オチだけ星4つに。
キャスト
当然部員たちは若手俳優になるわけだけれど、當間あみに原菜々華と、すでに期待されている2人が軸になっているだけあり、期待感のある顔ぶれ。
「やっぱり今見るとちはやふるのキャストってすごいな!」と言われているのをよく聞くけれど、今作もそうなってほしいですね。
個人的には、風希・懸心・八雲の男子3人がお気に入り。
この作品に出ている俳優さんは、別のドラマでも今後見かけたらうれしくなっちゃうだろうな。
万人受け
「嫌いな人いるのかな?」と思うような、まっすぐな青春ストーリー。
前作?本作?でもある『ちはやふる』を知らなくても、普通に楽しめてしまうのではないでしょうか。
総括
最初から最後まで、ずっと今期で一番楽しみなドラマであり続けてくれましたね。
やっぱり、青春モノって良いよなぁ。
歳をとってくると、余計に染みます。
主人公である、めぐるのキャラクター設定がとても良かった。
漏れ聞こえてきた親の言葉による呪縛、そして親友への劣等感から「青春を送る資格がない」と効率重視で生きてきた彼女が、熱中できるモノ、一緒に青春を送る仲間と出逢えて変わっていく様は、めぐるの母親よりも胸を打たれて泣いた自信があります。
特に9話で、奏から『小学生のめぐるに会いに行って、道を間違えてくれてありがとうって伝える…』という話をされたときに、完全に崩壊しました。
「間違いじゃないよ」「これから正しい道にしよう」みたいな励ましの言葉ではなく、「間違えてくれて、出逢ってくれてありがとう」と伝えられるの凄くないですか。
めぐるのことをよくわかっているからこそ、過去の間違いを承認してあげて、ちゃんと受け止めてくれているんですよね。
再生止めて、2分くらい泣きました。
本当に大好きな作品なので、ぜひ全国民に見てほしい。
前作の登場人物たちではなく、本作の部員たちにしっかりスポットライトを当ててくれた、素晴らしいドラマでした。
最後の鑑定人

ストーリー(展開):★★★★☆
オチ(納得感) :★★★★☆
キャスト(演技) :★★★★☆
万人受け(クセ) :★★★★☆
総括(オススメ度):★★★★☆
20/25点 (2番手は高倉じゃなく尾藤なの?)
ストーリー
基本的に1話ずつ事件が解決していく流れなので、非常に追いやすいのは好ポイント。
かと言って、土門がほんのちょっととはいえ少しずつ人間性が出てきているのはわかるし、話を追っていく楽しみもある。
科学を使って事件を解決していくのも明解だし、トンデモ的なところも少ないのが好感。
あえて言うならば、犯人側の視点というか「まあこういう経緯なんだろうな」が描かれすぎていてミエミエなので、もう少し「マジかよ、裏切られたわ」という展開もあるとうれしいな。
オチ
記憶喪失だった尾藤に記憶が戻り、2人でいつもの解決シーンをやったり、弁護士の相田、刑事の都丸といった1話から顔を出していた面々にも活躍の場があったり、割と良い最終話だった。
最後に土門が感謝を言えるようになり、高倉にも「学者になれる」と素養を認める発言を残すラストは良かったね。
ただ、やはり高倉の何がそこまで認められたのかを描けていないように思う…
相手の反応を目で見て判断するのはまだわかるけれど、最終話で閉じ込められているときにも「嘘をついている」と断言したのは、もはや超能力の分野じゃないか。
キャスト
松雪泰子の包容力がすごい。
イライラさせられているシーンでも、見ていて不快になる感じにならない程度でおさえてくれているので、そのおかげで助かった場面が結構ある。
藤木直人も、良い意味で人をイラつかせる話し方がうまい。
相手を小ばかにしているのが、声のトーンだけでもわかるので、やっぱりすごいんだな。
万人受け
さすがに土門の人間性終わりすぎだろと思うところはあるけれど、尾藤が受け止めてくれているので、なんとか不快にはならずに済んでいる。
高倉の心理学要素を、もうちょっと際立たせてくれる回があるとよかったな。
「“変人”研究員」要素、どこ???
もう少し高倉の協力によって事件解決の糸口が見つかるような展開もあると思っていたけれど、尾藤の方がメインキャストでしたね、もはや。
ただ、日々に過度なストレスを感じている人でない限りは、楽しめると思います。
総括
総じて良い作品だったと思います。
特筆して面白い!というわけでは正直なかったけれど、各話をそれぞれ楽しめました。
くどいですが、やっぱり尾藤との関係性がメインになりすぎて、高倉の存在意義がよくわからなかった気がしますね。
原作があるようだけれど、同じようなバランスなんでしょうか。
反対に弁護士の相田なんかは最終話だけでも、だいぶ印象が良くなりました。
続編も普通に作れそうな感じのラスト。
高倉がメインとなり、土門がそのサポートをする…みたいなストーリーがあったら楽しみかもしれません。
木曜日放送ドラマ
しあわせな結婚

ストーリー(展開):★★★★☆
オチ(納得感) :★★★★★
キャスト(演技) :★★★★★
万人受け(クセ) :★★★★☆
総括(オススメ度):★★★★☆
22/25点 (クスっとくる会話劇とサスペンスの融合)
ストーリー
見ていて絶対に飽きないくらいの、怒涛の展開。
ネルラの心変わりしやすい?不思議?な性格が、毎回物語に動きをつけてくれたので、退屈しなかったですね。
原田の元カノ?は、もう少しかき回してくれるかと思ったけれど、案外介入してこなかったですね。
ちゃんと話の背骨というか大黒柱の部分に、「ネルラにかかわる15年前の事件」「原田の独り身でいたい精神」があったので、ブレずに見れたのも好ポイント。
オチ
原田の再プロポーズ。
家族5人が再度揃ったときの『やっぱり家族は苦手だ』という内心の吐露。
布勢が落ちぶれていった原因と、それに対する一種の憐憫。
ラストシーンの2人の寝ている姿…
これまでの話を急スピードでしっかり拾い上げながら、納得感を持たせてくれた。
『しあわせな結婚』というタイトルも、最終話でなんとなく初めてしっくり来た気がする。
言葉で表現するのは少し難しいけれど。
キャスト
ネルラは、芸術に長けていて一度入ったところから抜け出そうとしない猪突猛進感から、松たか子がこれ以上ないハマり役だったと思う。
元々好きだったけれど、さらにファンになりましたね。
阿部サダヲも「登場人物が内心を話しながら進んでいく作品」の登場人物は、やはり適役だった。
振り回される感じも良かったですね。
あと、叔父さん役の岡部たかしさん。
あまり知らなかったのだけれど、軽妙な雰囲気がとても良かったので、今後注目してしまいそう。
万人受け
ネルラが、良い意味でも悪い意味でも癖がある。
それがこの作品の良さなんだとは思いますけどね。
サスペンス要素を楽しみにするのであれば、ちょっと物足りないかも。
刑事の黒川が執着している理由と、すぐにそこから引いたのは、ちょっとモヤっとが残ったかな。
コメディとシリアスのバランスはとても良かった。
夫婦の会話のコミカルさのおかげで重すぎる話にもならないし、かといってメタいような笑いなんかはないのでしっかり本筋の殺人事件についても考察できる。
総括
素直に面白かった。
この作品が秀逸だった部分は、登場人物たちの些細な会話の部分じゃなかろうか。
1つの殺人事件、そしてネルラとその不思議な家族というミステリ?サスペンス?の部分が軸としてありながら、所々で挟まる会話のテンポがとても良く、清涼剤のようだった。
その点、主人公を阿部サダヲにしたのは、名采配だったのかもしれない。
やや独特な世界観だったが、気づけばその世界のなかに入り込めている。
テレビをつければニュースホープが実際に流れていて、家族が起こした不祥事で番組から飛ばされる原田の姿も、実際に見たことがあるんじゃないかと思えてきた。
そう考えると、1話の時点で原田幸太郎という人物を描ききって印象づけているのは、見事だったのだなぁ。
愛の、がっこう。

ストーリー(展開):★★★★★
オチ(納得感) :★★★★☆
キャスト(演技) :★★★★★
万人受け(クセ) :★★★★☆
総括(オススメ度):★★★★